布団の洗濯は、やったほうがいいのだろうと思いながらもなかなかできないことの多い家事のひとつです。洗濯方法がわからないのは、つい布団の洗濯を後回しにしてしまう大きな原因でしょう。
今回は、布団の洗濯をする方法や、洗濯の頻度、洗濯以外の方法で得られる効果などについてご紹介します。また布団を洗濯する方法として、自宅、コインランドリー、クリーニングなどのメリットやデメリットにも触れます。ぜひ参考にしてください。
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布団の洗濯って必要？
まず布団の洗濯が必要なのかどうかを考えてみましょう。
布団には目に見えない汚れがたくさんついています。寝ているうちに付着する汗や皮脂はもちろん、特に気をつけたいのがダニです。家のなかにはさまざまな布製品がありますが、とりわけダニが蓄積するのが布団、特に敷布団であるということがわかっています。
ダニは、増えるのも死ぬのも早い生き物です。10週間で30匹から1万匹に増える種類もいます。布団はそんなダニにとって格好のすみかです。なぜなら、布団は暖かく、湿っぽくて、人体からはがれた細胞やハウスダスト、カビなどのエサも豊富にあるからです。布団にはダニのフンや死骸が蓄積し、アレルギーの原因となります。
アレルギーの症状は鼻炎や目のかゆみ、アトピー性皮膚炎、ぜん息などで、どれもつらい症状ばかりです。アレルギーになるのを避けたり、アレルギー症状を軽くしたりするためにも、布団の洗濯は必要といえます。
日干しや布団乾燥機の効果
布団なら普段から日干しをしている、布団乾燥機をかけている、という人も多いでしょう。これらの対処法は、布団の湿気を乾燥させる役には立ちますが、ダニを駆除したり、除去したりすることにはつながりません。
寝ている間に、人は200ミリリットルほど汗をかくといわれています。約コップ1杯の汗は水蒸気となって布団に染みこんでいるため、天日干しをしたり、布団乾燥機をかけたりすれば蒸発し、布団が温まってふかふかになるでしょう。一方、天日干しや布団乾燥機でダニが死ぬことはなかなかなく、もしダニが減ったとしても洗ったわけではないため、死骸もフンも布団のなかに残ってしまいます。つまり天日干しをしたり、布団乾燥機をかけたりしても、アレルギーの原因はなくならないのです。
したがって、ダニやダニのエサとなる汚れを落とすためには、天日干しや布団乾燥機で済ませることなく、布団を洗濯することをおすすめします。
布団の洗濯頻度
布団の洗濯頻度は、掛布団の場合1年に1度、敷布団の場合は2～3年に1度がおすすめです。ただ、頻繁にきれいにしておきたいと考える場合や、汚れやアレルギーが気になる場合は、敷布団でも1年に1度、洗濯をしても良いでしょう。
布団とともに気に掛けておきたいのが、シーツや布団カバーなどのカバー類の洗濯です。シーツや布団カバーは週1度を目安に洗濯すると皮脂や表面の汚れが落ち、清潔に使えます。裏を返せばカバー類が頻繁に洗濯されているからこそ、布団の洗濯は1年に1度、あるいはそれ以下の頻度でも良いということです。
一般的には、冬は厚い布団、夏は薄い布団など、布団を使い分ける人が多いでしょう。そこでおすすめは、布団を使わなくなるオフシーズン、しまう前のタイミングで洗うことです。これなら布団を洗う頻度もちょうどよく、きれいな状態でしまえて、次のシーズンには出してすぐ使えます。
布団を汚してしまったら
生活をしていると、飲み物や食べ物をこぼす、子どもがおねしょをするなど、やむを得ず布団を汚してしまうこともあります。このような場合は前述の頻度とは関係なく、できるだけ早く洗濯することをおすすめします。
布団の汚れは、ダニのエサとしても最適です。こぼしたままにしておくと、ダニが食べてどんどん増え、アレルギーの発症や悪化の原因になってしまいます。また汚れを放置していると、そのまま固まって布団がシミになってしまうこともあるでしょう。気持ち良く眠るためにも、布団を汚してしまったらすぐに洗濯しましょう。
掛布団の洗濯方法
掛布団の洗濯方法には、以下のような方法があります。
- 自宅
- コインランドリー
- クリーニング
それぞれの洗濯方法について、やり方を解説します。
自宅
自宅で掛布団を洗濯する場合、まず掛布団が自宅で洗濯できるものであるかどうかを事前に確認してください。布団の購入時に自宅で洗えると表記してあったものや、洗濯表示で家庭洗濯を示すタライの記号が書かれているもの、バツ印がつけられていないものなどは、家庭で洗うことができます。
洗濯機のサイズが7kg以上あれば、セミダブルサイズの掛布団が洗えることが多いでしょう。反対に5kg程度の洗濯機であればシングルの掛布団がやっと洗えるかどうかです。洗濯機の説明書で必ず確認してください。
自宅での布団の洗濯方法は、以下のとおりです。
- 掛布団を縦方向3つ折りにたたんでからくるくると丸め、大きめの洗濯ネットに入れる
- 洗濯機のなかに水と洗剤を入れ、洗濯液を用意する
- 布団を入れ、すすぎまでおこなう
- 布団に直接かからないよう柔軟剤を入れ、5分ほど洗濯機を回す。
- 脱水してから干す
洗濯機のサイズよりも掛布団が大きいなどの理由で洗えない場合は、浴槽を使って手洗いする方法や、コインランドリーで洗う方法があります。
コインランドリー
コインランドリーでは、羊毛100%や真綿100%の布団以外、大体の布団を洗濯することができます。コインランドリーの洗濯機には「ふとん洗濯コース」が用意されていることが多いため、よく見て利用しましょう。
コインランドリーで布団を洗う場合の方法は、以下のとおりです。
- 掛布団をたたまずにそのまま洗濯機に入れる（ネットに入れる必要はありません）
- 扉を閉めてから精算機でふとん洗濯コースの料金を精算する
- 終了の合図を待つ
- 洗濯が終了したら布団を取り出す
コインランドリーでの掛布団の洗濯は、70分ほど時間がかかるのが一般的です。会社や洗濯機の機種にもよるため、お近くのコインランドリーで確認してください。また洗剤の投入についても同様です。
店舗クリーニング
クリーニング店の店舗で布団をクリーニングしてもらう方法は、店舗に布団を持ち込むだけで面倒がありません。しかし注意点もあるため、流れを確認してみましょう。クリーニング店に布団を出す流れは以下のとおりです。
- 布団クリーニングの値段を確認する
- 布団に破れや劣化がないかを確認する
- クリーニングに出し、支払いをおこなう
- 完了日以降に受け取る
店舗クリーニングに出せる布団には制限があります。布団の表地について、毛皮やキャメル、正絹の生地、刺繍の入った生地は受け付けていないことが多いでしょう。詰め物に絹、麻、ヤシなどが含まれている場合や、電線、セラミックス、磁器などで特殊加工がされているものも基本的には不可となります。布団のサイズでは、厚み10cmを超えるものや、クイーンサイズより大きなものは、洗えないことがあります。不安な場合、事前にクリーニング店に確認しておくと良いでしょう。
宅配クリーニング
宅配型クリーニングとは、宅配便を介して商品をやりとりし、クリーニングを依頼する方法です。コインランドリーやクリーニング店舗までの持ち運びが面倒な布団も、自宅にいながらにしてクリーニングを依頼できるのが大きなメリットとなっています。宅配型クリーニングの利用方法を見てみましょう。
- 宅配クリーニングを申し込む（アプリ、ホームページなど）
- 集荷キットが届いたら、布団を入れて集荷を予約する
- 予約にあわせて集荷に来るスタッフへ布団を渡す
- クリーニングが終了したら布団が自宅へ届く
集荷日の予約は、最初の申し込みのときにおこなう場合もあるため、あらかじめ都合の良い日をピックアップしてから申し込みを始めるとスムーズでしょう。またクリーニングの終了後、自宅への配送日を指定できるかどうかはクリーニング店によって違います。
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敷布団の洗濯方法
敷布団を洗濯したい場合は、以下のいずれかの方法でおこないましょう。
- 自宅
- コインランドリー
ここでは、それぞれの洗濯方法をご紹介します。またこれらの他に、敷布団をクリーニングに出す方法もあります。基本的に掛布団と同じ方法でクリーニングできるため、ここでは割愛します。
自宅
自宅で敷布団を洗濯する場合、洗濯機で洗えるかどうかを事前に確認します。洗濯表示で自宅洗いが可能であるかどうかを見る他に、敷布団は掛布団に比べて体積が大きいため、洗濯機に入るサイズであるかどうかも考慮しましょう。一般的に、薄手の敷布団の場合はシングルで容量5kg以上の洗濯機、セミダブルやダブルで6kg以上の洗濯機に入れて洗うことができます。厚手の敷布団の場合は、上面と下面に分割できるタイプ以外は洗濯機に入らないことが多いでしょう。
洗濯機に入らない場合は、手洗いで敷布団を洗濯できます。以下では、手洗いによる洗濯方法をご紹介します。
- 敷布団をくるくるロール状に巻き、ほどけないようヒモで縛る
- 浴槽にぬるま湯を張り、あらかじめ洗剤をよく溶かす
- 敷布団を入れお湯を吸わせてから、足で踏みながら汚れを押し出す
- 浴槽のお湯を捨て、引き続き足で踏みながらシャワーをかけてすすぐ
- 泡が出なくなったらシャワーを止める
- 足で踏みながら水分をできるだけしぼり、物干しに干す
- 片面が乾いたら裏返し、両面ともよく乾かす
敷布団を完全に乾燥させるには、時間もかかります。時間がかかると雑菌が繁殖する原因になるため、できるだけ早く乾燥させるのが望ましいでしょう。布団乾燥機があれば利用しながら乾かすのがおすすめです。
コインランドリー
コインランドリーで敷布団を洗うのは簡単です。コインランドリーには、敷布団洗濯コースのある洗濯機が備え付けられているので、探して使うようにしましょう。ただし、詰め物が羊毛100%のものや、真綿が入っているものはコインランドリーでは洗えませんので気をつけてください。
コインランドリーで布団を洗う方法は、以下のとおりです。
- 敷布団を縦方向に折り、さらに横方向に半分に折る
- 洗濯機のドラム内部に沿わせるように、洗濯機のなかに入れる
- 扉を閉めてから精算機で敷布団洗濯コースの料金を精算する
- 洗い上がったら敷布団乾燥機に布団を移し、乾燥させる
- 終了の合図を待つ
- 洗濯が終了したら布団を取り出す
精算のタイミングや方法は、各社、機械によって異なるため、コインランドリーのなかにある案内を参考にしてください。敷布団乾燥機のあるコインランドリーの場合、この乾燥機は敷布団専用で、掛布団は入れることができないので注意しましょう。
洗濯方法別メリット・デメリット
布団の洗濯をする場合、洗濯方法によってさまざまなメリットやデメリットがあります。ここでは自宅・コインランドリー・クリーニングに分けて、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します。
自宅で洗濯するメリット
自宅で布団を洗濯するときのメリットには、主に以下の2つがあります。
- お金がかからない
- 出掛ける必要がない
自宅で布団を洗濯する場合は、特別な費用はかかりません。もちろん電気、水といったものは負担が必要ですが、他の方法ではいずれも、ほとんどの場合1,000円以上の金額がかかることを考えると、自宅での洗濯はお金がかからずお得であるといえます。
またコインランドリーやクリーニング店舗を利用する場合は布団を持って家を出る必要がありますが、自宅で洗濯をするならその必要もありません。
したがって自宅で布団を洗う方法は、布団を洗う時間や労力は捻出できるけれどできるだけお金をかけたくない人、あるいは、コインランドリーやクリーニング店までの距離が遠く、車なども利用できないため布団を持って出掛けたくない人におすすめです。
自宅で洗濯するデメリット
自宅で布団を洗濯するデメリットには、以下のような点があります。
- 乾燥させるのが大変
- 濡れた布団は重く、重労働
掛布団も敷布団も、洗えば大量の水を吸うため、タオルのように簡単に乾燥させることはできません。時間がかかるだけでなく、布団を干しておく場所も必要になるでしょう。また濡れた布団はかなりの重さになるため、干し場まで運ぶのも一苦労です。
したがって、重いものを運ぶ、あるいは干すことが難しい人や、協力してくれる家族がいない人には、自宅で布団を洗うのは大きな負担かもしれません。自宅に布団を干すスペースがない場合も同様です。スペースさえあれば、友達など協力してくれる人を呼んで一緒に布団を洗うのも良いかもしれません。とはいえ、可能であればコインランドリーやクリーニングを使うほうが楽に布団を洗濯できるでしょう。
コインランドリーのメリット
コインランドリーで布団を洗濯するメリットは、主に2つです。
- クリーニングよりは安く洗える
- 比較的短時間で仕上がる
コインランドリーもお金のかかる洗濯方法ですが、自分で作業をおこなう分、クリーニング店に比べれば安価で洗えるケースがほとんどです。また自宅洗いでは乾燥に時間のかかる布団も、コインランドリーなら乾燥機があるため比較的短時間で仕上げることができます。
コインランドリーで布団を洗濯する方法は、そもそも自宅では洗えないけれどお金はできるだけかけたくない人、たとえ洗えたとしても自宅に布団を干すスペースがない人におすすめです。また自宅での布団の洗濯・乾燥に時間をかけたくない人や、クリーニング店に何日も布団を預ける時間がない人も、コインランドリーを使えば2～3時間で布団の洗濯ができるでしょう。
コインランドリーのデメリット
コインランドリーで布団の洗濯をするには、以下のようなデメリットもあります。
- 布団対応のコインランドリーを探す必要がある
- 布団を持ち出すのが大変
コインランドリーといっても、布団に比べればタオルや服など、日常の洗濯物が持ち込まれることが多い場所です。なかには布団対応の洗濯機や乾燥機を置いていないコインランドリーもあるため、対応している機械のあるコインランドリーを探す必要があるでしょう。
またコインランドリーまでは、どうしても自分で布団を持っていく必要があります。車などに積んで往復するのが一般的ですが、車がない場合は運搬に苦労するかもしれません。さらに2階以上の場所に布団がある場合、1階まで降ろす必要が生じるでしょう。
家族で連携できる場合、あるいは近所の方などで車を出す等の協力をしてもらえる場合は、力を貸していただくのが無難です。
クリーニングのメリット
プロのクリーニングには店舗、宅配クリーニングともに、自宅やコインランドリーでの洗濯では得られないメリットがあります。クリーニングのメリットは以下のとおりです。
- 自分で洗うよりキレイに仕上がる
- 使わない期間は保管サービスですっきり
自宅ではもちろん、コインランドリーで布団を洗濯したとしても、慣れない人がやることに変わりはありません。布団の中綿が寄ってしまったり、思ったようにふんわりとした仕上がりにならなかったりする可能性もあるでしょう。クリーニング店に依頼すれば、このような心配は無用です。プロの手法できれいに洗い上げてくれます。
またクリーニング店では、使わない期間の保管サービスを提供しているところがあります。オフシーズンの布団を洗いに出したときに指定した期間だけ預かってくれ、布団が欲しくなる季節に受け取ることができるため、自宅保管の手間と場所が必要なくなるのもメリットでしょう。
どうせ布団を洗うのならプロにきれいにしてもらいたい、失敗が嫌、また家が狭くて保管しておく場所がない、といった人におすすめです。
クリーニングのデメリット
一番きれいになるクリーニングにもデメリットはあります。それは以下のようなことです。
- 料金が高い
- 仕上がりに時間がかかる
プロのクリーニング、そしてオフシーズンの保管、それぞれに料金がかかります。業者によって料金の差はありますが、シングルの掛布団を洗う場合、大体の相場でいえば1点で5,000円～10,000円前後の金額になることが多いでしょう。この金額は、2点頼むと割引になる会社もあるため一概にはいえません。お近くのクリーニング店などで確認をおすすめします。
クリーニングでは仕上がりに時間がかかるのもデメリットのひとつです。これも業者によって変わりますが、布団が戻ってくるまで2週間から1カ月ほどかかる業者が多いでしょう。
したがって料金をできるだけ安くしたい人や、布団を使う予定がある等で仕上がりを急いでいる人には、クリーニングの利用がデメリットとなってしまいます。これらのデメリットはクリーニング店を使う以上、ある程度は仕方のないものと考え、費用対効果などをみながら利用を決めることをおすすめします。
洗濯できない布団
自宅やコインランドリーで洗濯できない布団を洗濯してしまわないよう気をつけましょう。洗濯できない布団には、主に以下のようなものがあります。
- 和布団
- 羊毛布団
- 真綿・絹綿布団
- ウレタン布団
- ノンキルト製品
これらの他にも洗えない場合があるため、布団の洗濯を考えたときにはまず洗濯表示を見て、洗えるかどうかを判断すると良いでしょう。洗濯表示は布団のタグなどに付いていることがほとんどです。表示のなかに四角い洗濯機マークか、タライの形の家庭洗濯マーク、またタライに手を入れている手洗いマークのいずれかがついていないものは、洗濯できない布団です。
またクリーニングの場合でも、洗えない素材、洗えない条件があります。条件はクリーニング店ごとに違うため、クリーニングに出す前にホームページや電話などで洗えるかどうかを確認しましょう。
宅配クリーニング「ラクリ」
インターネットからクリーニングを注文し、宅配便で衣類の発送や受け取りができるサービス。パック料金なので全品ダウンジャケット・ブランド衣類でも追加料金なしでお得にクリーニングが可能！
まとめ
布団を洗濯せずにずっと使っていると、ダニが増えてアレルギーの原因になることもあります。1年～3年に一度の頻度で洗濯をおこなうと安心です。
布団の洗濯には、いくつかの方法があります。自宅での洗濯、コインランドリー、店舗や宅配でのクリーニングで、ダニなどのアレルギー源や皮脂、汗などの汚れを洗い流しましょう。洗濯の方法には、それぞれメリットとデメリットがあります。自分自身の環境とよく照らし合わせ、適切な方法で洗濯してください。布団の洗濯は、布団をしまう前におこなうのがおすすめです。汚れを取り、布団をすっきりさせれば、次のシーズンにもさっぱりとした気持ちで布団を使い始めることができます。布団の洗濯は決して難しいことではありません。ぜひチャレンジしてみてください。
